2007年春、私の思い

私は、この頃、6年にわたり続けている「庭園福祉活動」の意義について、あらためてより深く考えるようになっています。
1999年9月に、初めて、英国ザ・ナショナル・ガーデンズ・スキームのダフネ・フォーシャム前会長に英国サリー州のギルフォード近くの彼女の庭園「ヴェール・エンド」でお会いし、彼女から、「お庭から社会貢献が出来る、お庭から人助けが出来る活動のあり方と英国のチャリティ文化に根付いた庭園福祉活動の理念と意義」を学びました。
今まで、庭を「園芸生活文化の楽しむ空間」としかとらえていなかった私には、「お庭からのチャリティ」は、目から鱗が落ちるがごとく斬新で新鮮なものとして、「これぞ、我がライフワークなり」と大いに感動しました。
日本において、今まで、庭園文化の歴史を振り返ってみても、庭の重要な役割は、大きく分けて2通りだったように思います。
ひとつには、庭園を芸術としてとらえ、その美を楽しむ。住宅庭園で言えば、庭の中で園芸を楽しみ、草花の美しさで日々の暮らしの潤いにした、つまり庭園の中における美を楽しむことです。
二つ目は、庭園の中での宴会や茶会のように、庭園に人々が集い社交の場として、コミュニケーションの空間としての庭の役目です。
歴史をさかのぼれば、もちろん宗教庭園が主流であったものの、平安時代からおそらく戦前位までは、日本の庭園文化において、この二つが非常に重要な役割を果たしていました。そして、敗戦後は、残念にも「庭」という存在自体が衰退の一途をたどりました。
日本における庭園文化をこのようにとらえていた私は、このお庭から社会に役立つことが出来る「お庭からのチャリティ」という理念が、非常に斬新で革新的で、三つ目の新しい役目であると確信したのです。
そして、私は、この三つ目の役目「お庭からのチャリティ」という庭園福祉活動こそ、未来へ向けて「日本庭園文化への新しいチャレンジ」だと確固たる信念を抱きました。
私は、日本において、1999年当時既に一部で始まっていた「オープン・ガーデン」という園芸活動のジャンルとは違う活動にしたく、この庭園福祉活動を、あえて「ガーデン・オープン・チャリティ」と謳い、日本における「庭園文化」の新しいチャレンジとして、2001年より歩み始めました。
英国では、1927年、「女王陛下の看護協会」の評議会のメンバーの一人であった「ミス・エルジー・ウァッグ」が、当時何の社会保障もなかった引退した看護婦たちの年金に充てるためにこの庭園福祉活動を始めたことが発端でした。
現在では、チャールズ皇太子を名誉総裁に、3500の庭園が、ガンなどの医療並びに看護を中心に庭園保護保存やガーデナー育成のため約1000チャリティ団体へ、毎年3億6〜7千万円を寄付しています。
故に、英国において「オープン・ガーデン」の中心である「ザ・ナショナル・ガーデンズ・スキーム」の活動とは、チャリティ文化に根付き、「チャリティがなくては、オープン・ガーデンではない」と言い切れる理念を持つ社会福祉活動であり、「チャリティ活動」そのものなのです。
世界的な動きを見ると、「英国ザ・ナショナル・ガーデンズ・スキーム(イングランド&ウェールズ)」を中心として、スコットランド、オーストラリア、アメリカ、ベルギー、オランダ、フランス、そして、我が日本が、姉妹関係として密接な友好関係を結び、同じように庭園福祉活動を行っています。
私としては、この「お庭からのチャリティ」という庭園福祉活動が、どういう形であれ、英国を中心にして、既に世界各国で広まっている現実があり、「ガーデン・チャリティ・グローバリズム」として、非常に意義のある流れだと思います。
今後ますますこの流れが、グローバルに世界各国へと広がることを大いに期待しています。
私は、日本の文化生活の中で、この「ガーデン・オープン・チャリティ」という理念が根づくために、既存のイメージを破壊して、新しいカテゴリーを創り、その新しいジャンルの中で、多角的に、この「ガーデン・オープン・チャリティ」という庭園福祉活動が持続可能な活動になるような動きにしていくことが、今後「N.G.S.ジャパン」にとって、非常に重要だと考えています。
花こそ、「愛」のシンボルなのです。何も不平不満を言わず、常に花たちの美しさで、全てに愛を振りまいて、健気に咲ききって役目を果たす。花たちこそ、「チャリティ」そのものであり、愛のシンボルなのです。
その愛のシンボルに助けられて、お庭の中にいる人々みんなが喜びや幸せを分かち合い、その幸せのお裾分けである「ワンコイン〜ハートフル500円玉たち」が「小さな幸せたち」に生まれ変わり、例えば、東南アジアの一人のストリート・チルドレンの命を救うことが出来る、そう、人間の命を救うことが出来るのです。
これこそ、「お庭からのおもてなし」から生まれた素晴らしいチャリティ「庭園福祉活動」なのです。
このことをふまえまして、次のフレーズが、神に導かれるがごとく私の頭の中に浮かびました。
ガーデン・ホスピタリティ 〜 ガーデン・オープン・チャリティ
Garden Hospitality Garden Open Charity
お庭からのおもてなし お庭からの小さな幸せたち運動
For No Substitute Lives 〜You
かけがいのない命〜あなたのために
このフレーズを新しいスローガンに、あえて、私は、「お庭からのおもてなし文化」の意味で「ガーデン・ホスピタリティ(Garden Hospitality)」という新しいカテゴリーを創りたいと思います。
そして、このカテゴリーの中で、日本の皆様方に「ガーデン・オープン・チャリティ」というチャリティ活動がより魅力的により洗練された「庭園生活文化」の中の大切な要素なのだと、「これこそ、大人として成熟した豊かな文化生活!」、「これこそ、大人としての優しき心意気!」として、日本らしい持続可能な独自のやり方で広まるよう、常に模索し斬新なアイデアでご提案していきたいと思っています。
2007年春において、私は、この「ガーデン・ホスピタリティ」という新しいカテゴリーを提唱したく、これからの「N.G.S.ジャパン」の活動の所信表明として、ここに皆様に向けてお伝えいたします。
繰り返してしまいますが、「お庭から人の命を救う活動」という意義を持つこの庭園福祉活動が、英国を中心に、世界に向けて「ガーデン・チャリティ・グローバリズム」として広まるように、日英間の庭園文化交流を盛んに、世界各国と手を結び協力しあい、世界平和に役立つようにという壮大な願いをこめて進んで参る所存です。
どうぞ、私のこの熱き思いをご理解頂きまして、今後とも、ご支援ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
感謝と共に心をこめまして
N.G.S.ジャパン
谷口 多美江
